動画マーケティングの時代、「伝わる動画」の重要性は日々高まっています。
しかし、多くの企業が陥る落とし穴があります。

それは、動画制作を制作側に丸投げしてしまうこと。

本記事では、制作側と企業側の双方が知っておくべき、効果的な動画制作のポイントを解説します。

■本記事で学べること:

  • 動画制作における企業側の関与の重要性
  • 制作側が抱える課題と解決策
  • 各制作フェーズでの適切な関わり方
  • 「伝わる動画」を生み出すための具体的なステップ

1. 丸投げは禁物:企業側の積極的な関与が成功の鍵

動画制作を外部に委託する際、多くの企業は「プロにお任せ」と考えがちです。
しかし、これは大きな間違いです。

制作会社の声として「テーマが不明確」「映像にしたいことが多すぎる」「動画の使い道が定まっていない」という声を多く耳にします。

これらの不満は、企業側の関与不足から生まれます。
いくらプロでも、漠然とした指示だけでは質の高い動画は作れません。

「伝わる動画」を作るには、企業側も制作プロセスに積極的に関わることが不可欠。

2. 最も重要な初期段階

動画制作の初期段階、特に企画立案とシナリオ制作は、プロジェクトの成否を左右する重要なフェーズです。

  • この段階では、方向転換が比較的容易
  • 目的やゴールを明確に共有することが必須
  • 企業側と制作側が意見を出し合い、同じ方向を向くことが重要

目的の段階(企画立案やシナリオ制作)こそ、発注側も積極的に関与することが大切です。

3.各制作フェーズにおける適切な関与度

動画制作の各段階で、企業側の関与度は変化します。

  • 企画立案・シナリオ制作:最も高い関与度が必要
  • 撮影・編集:技術的な部分は制作側に任せるが、方向性の確認は必要
  • 完成後:大幅な修正は困難なため、事前の綿密な打ち合わせが重要

ほとんどの制作プロジェクトにおいて企画立案やシナリオ制作などの抽象度の高いフェーズ(目的を具体化させていくための準備段階)は、選択肢が多いフェーズであるため発注側も依頼側も目的やゴールをしっかりと共有して、目線を揃えて同じ方向を向くようにしていかなければなりません。

「撮影に立ち会わない」「動画が出来上がってから修正を要求される」といった不満を制作側が抱くこともありますが、これは最も高い関与度が必要な企画立案やシナリオ制作のフェーズでの関与が足りないことも要因として挙げられます。
これは企画立案やシナリオ制作などの段階はある程度方向転換が可能なフェーズですが、撮影以降のスケジュールに入ってしまうと変えられることがどんどん減っていってしまうためです。
これらの問題は各フェーズで適切に関与することで避けることができます。

4.明確な目的とゴールの設定

「伝わる動画」を作るには、明確な目的とゴールの設定が不可欠です。

  • 動画の使用目的を具体化(例:新規顧客獲得、ブランド認知度向上)
  • 視聴者ターゲットの明確化
  • 期待する効果の数値化(可能な場合)

企業担当者は制作側に依頼する前にある程度、目的とゴールを明確にしておくことで、依頼後のコミュニケーションをスムーズに進めることができます。
この目的とゴールが定まっていないと、制作に入る準備段階の時点で余計な時間がかかってしまい、プロジェクト自体の進行に遅れが生じてしまう可能性も大いに考えられます。

5.クリエイティブな表現は制作側を信じて任せる

企業側が過度に介入すべきでない領域もあります。

  • 撮影技術や編集テクニックなどの専門的領域
  • クリエイティブなアイデアの具現化
  • 視聴者の感情に訴えかける表現方法

プロジェクトがより具体化されてくる撮影や編集の段階は企業側として意見を出しやすくなるフェーズになります。
例えば、この段階になって「もう少し右からのアングルで撮影してほしい」「もっと別の表現方法はないか?」「このカットを使ってほしい」などと企業側が制作側の意図を無視して要望や意見を強要してくることも少なくありません。

しかし、この段階になって後から意見を出したとしても後の祭りです。
企画立案やシナリオ制作などの準備段階で制作側としっかり目的やゴールを共有できているのであれば、撮影や編集は専門知識を有している制作側のクリエイティビティを信じて任せることが必要です。

6.継続的なコミュニケーションの重要性

プロジェクト全体を通じて、制作側と企業側の継続的なコミュニケーションが成功の鍵となります。

  • 定期的な進捗確認ミーティングの実施
  • 疑問点や懸念事項の早期共有
  • フィードバックの迅速な提供

伝わる動画を作るための秘訣は、高価な撮影機材を使うことや有名な制作会社に依頼することでは決してなく、企画段階から制作側と企業側が継続的に密なコミュニケーションをとり、双方が同じ方向を向いて同じ目線でプロジェクトを進めていくことです。

まとめ:協力が生み出す「伝わる動画」

「伝わる動画」の制作は、制作側と企業側の緊密な協力なくしては成功しません。企画立案から完成まで、各段階で適切に関与し、明確なビジョンを共有することが重要です。

  1. 動画制作の目的とゴールを明確化する
  2. 制作会社との初回ミーティングで、関与度と役割分担を明確にする
  3. 各制作フェーズでの具体的な関与計画を立てる

これらのステップを踏むことで、より効果的で「伝わる」動画制作が可能になります。
企業の魅力を最大限に引き出し、視聴者の心に残る動画を作り上げましょう。