あなたの企画、いつも採用されていますか?
映像やデザインを制作しているクリエイターのみならず、それ以外のビジネスマンにおいても日々の仕事の中で企画やアイデアを立案する機会は多くあるはずです。

しかし、「選ばれたい」という思いが強ければ強いほど、実は最高の企画を生み出す障害になっているかもしれません。

本記事では、この「選ばれたい」という罠から抜け出し、真に価値ある企画を生み出す方法を探っていきます。

■ この記事で学べること

・「選ばれたい」思考が創造性を阻害する理由
・自己基準の重要性とその確立方法
・本当にいい企画を生み出すための具体的なステップ

1.「選ばれたい」の罠

企画やアイデアを考える時、「採用されたい」「選んでもらいたい」という気持ちは自然に湧いてきます。しかし、この「選ばれたい」という思いこそが、あなたの創造性を縛る鎖なのです。

この「選ばれたい」という気持ちは、「正しく悩む」ことを妨げます。つまり、本当に価値ある企画を生み出すプロセスを歪めてしまうのです。

「選ばれたい」から解放されたとき、本当の創造力が目覚める

2.判断基準の転換

「選ばれたいから」という気持ちが前面に出てしまうことは、判断の基準が他人の中にある状態といえます。

例えば、

「あの人はこの企画を気に入るだろうか?」
「あの時の打ち合わせでこう言っていたから…」
「自分はいいと思わないけど、みんなが…」

このような思考に陥ると、何が「いい企画」なのか分からなくなってしまいます。
それは、まるで他人の好みに合わせてレシピを考えるシェフのようなもの。結果、誰の舌も満足させない料理が生まれてしまうのです。

3.自己基準の確立

では、どうすれば「選ばれたい」から脱却できるのか?
鍵は「自己基準」の確立にあります。

まず、自分自身に問いかけてみましょう。

1.この企画に本当の価値はあるか?
2.社会や顧客にどんな影響を与えられるか?
3.自分自身がワクワクするものか?

これは、自分の内なる声に耳を傾けるプロセスです。
まるで、自分の心の中にある羅針盤を見つけ出すようなものです。

自分の心が動かないものは、他人の心も動かさない

4.価値ある企画を生み出すステップ

優れた企画は、系統立てたプロセスを経て生まれます。
以下のステップを踏むことで、あなたの創造力を最大限に引き出せるでしょう。

①まずは一つの企画をまとめる
― 未熟な企画やアイデアでもとりあえず形にすることが第一歩
②長所と短所を洗い出す
― 企画の強みと弱みを客観的に見つめる
③冷静に分析する
― 長所を伸ばすか、短所を消すか、方向性を決める
④他人の目線で見つめ直す
― 自分の企画を他人のものと想像し、客観視して見直していく
⑤ブラッシュアップする
― 分析結果に基づいて企画を修正して磨き上げていく
⑥繰り返し改善する
― ②〜⑤のステップを何度も繰り返し、企画を洗練させていく
⑦多角的に検証
― 「これだ!」と感じた瞬間があって初めて、「クライアントならどう思うか?」「上司ならどう思うか?」「この企画は世間にうけるのか?」など他人の目線で検証する。

このプロセスは、料理人が新メニューを開発するようなもの。
アイデアを練り、試作し、味を調整し、最後にお客様の反応を想像するのです。

真の企画力は、自己と向き合い、客観的に評価し、繰り返し改善する中で培われる

■ まとめ:あなたの中の創造性を解き放つ

「選ばれたい」から脱却し、自己基準を確立することで、真に価値ある企画が生まれます。他人の評価を恐れず、自分の直感を信じることが、革新的なアイデアへの第一歩なのです。

また、日ごろから社会の中に無数に存在する「広告」をひとつ標的にして、その広告の長所と短所を考えて分析することも、自身の企画力を上げるための良いトレーニングにもなります。
「自分だったらこうする」など自分なりのアイデアを考えることは、客観的な視点を鍛える習慣となります。
あなたの中に眠る創造性が、きっと目覚め始めていくはずです。